未来の機材・機器パート2 blog
歯と一体化する修復機能材料の開発
➡機能性のある材料はすでに実現。
どう一体化させるか?
むし歯の治療では、感染部分を除去してから、コンポジットレジンやグラスアイオノマーセメントなどの修復材料を詰めます。この修復材料にプラスαの機能を追加したのが修復材料です。バイオアクティブ素材とも言われます。
いまでも実用化されていて、たとえば10年以上前から使われている「S-PRGファラー」は、詰めた後、お口の中でフッ素やストロンチウムを徐々に放出して、むし歯の発症を抑えたり、歯を強くしてくれます。
ほかにも、フッ素を徐放するグラスアイオノマーセメントや、亜鉛を徐放して根面のむし歯の進行を抑制する「バイオユニオンフィラー」もあります。
これらの材料は、まだ歯と同じ強度をもつには至ってはいませんが、それぞれが実現すれば、より長くお口の中で機能できるようになります。そのため歯と一体化させるべく、研究が進められています。
ガラス系材料とエナメル質が、境目できれいに一体化しているのがわかるでしょうか。
こんなふうに隙間なく、詰めた・被せた材料が歯と一体化すれば、詰めたものと被せ物の間に細菌が入り込んでむし歯(再発むし歯)になることもなくなっていくと思います。
歯周病で失われた歯周組織・歯茎・あごの骨・歯根膜などの再発については、昔から研究が重ねられてきました。
古くはGBR(骨誘導再生治療法)からエナメルマトリックスタンパクを利用した「エムドゲイン」、昨年ではFGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子)を利用した「リグロス」が画期的な製品として実用化されています。
このように歯周組織の再生はすでに現実のものとなっていますが、一方で「歯髄(歯の神経)の再生」についても研究が進められています。
虫歯が進行して、内部の歯髄にまで細菌感染が及んだ場合、歯髄を除去しなくてはなりません。でないと当然痛いですし、放っておくと根の先に膿が溜まり、歯を抜くことになりかねません。
歯髄がなくてもいいや、と思うかもしれませんが、血管と神経を含む歯髄には、歯に栄養を送る一方、刺激に応じ内部から象牙質をつくって歯を強くする役割があります。ですから歯を長持ちさせるには、歯髄の存在が重要なんですね。
歯髄を再生させるにはどうしたらいいのか。たとえば、歯髄の幹細胞を増やして修復する技術の研修が進められています。歯髄のなかには歯髄のもととなる幹細胞があり、その細胞を増やす薬剤を塗布することで、歯髄を再生させようというものです。
また、歯髄を失った歯に、再生の足場となる材料と成長因子を添加し、歯の根の先からのの細胞の誘導を促して、歯髄を再生させると言う考えもあります。歯髄を再生できるようになれば、虫歯で歯を失う人が格段に減ることでしょう。
天然歯に近い機能をもつ次世代バイオインプラント
治療の一般化
➡人工歯粘膜を有するインプラントが登場
インプラントの人工歯根部分はチタン製。チタンが骨とくっつく性質を利用しています。でも、インプラントを入れている患者さんからは、「噛めますけど、少し自分の歯とは違いますね」とよく聞きます。
天然歯には、歯根と骨との間に歯根膜(車で言うスペンション)がありますが、インプラントにはありません。それが噛んだ時の感覚に影響するのでしょう。そこで、インプラントのチタンの表面に、人工の歯根膜のようなものをつくろうと言う研究があります。
チタンの表面に、ポリマーやコラーゲンから成るやわらかい肉組織を付着させ、これを埋め込むという発想です。1990年後後半~2000年初めには、京大や広島大、長崎大で盛んに研究されていました。
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