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Question

テレビで見たんですけど、最近中高年に「歯の根の虫歯」が増えているそうじゃない?

私も歯ぐきが下がってきちゃってます。

先生、どうしたらいいのかしら?

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きずかないうちに発生し、進行しやすい根面が見えてきたかたには、予防のために「食後5分以内に口をすすぐ」「すすがないと気持ち悪い!」という意識をもつとよいでしょう。

歯と歯茎の境目を二段階に分けて磨くのも効果的です。

解説

 加齢にともなって増える「歯ぐき下がり」。30代から増えはじめ、40代では8割の人に見られます。歯ぐきが下がると、歯の根(根面)が露出します。

 おいしい食事や飲み物はほとんど酸性ですし、虫歯菌も食後すぐに活発になり酸を作ります。50歳以上のじつに2~3割のかたが、根面の虫歯(根面う蝕)になっていると言われています。

 根面の虫歯が厄介なのは、複数の歯に起こりやすいのにくわえ、進行が遅くあまり痛くないので、むし歯になっていることに気づきにくい点です。だから、気づいた時には重症化していて、治療がとても難しくなる___いわば“沈黙の虫歯”です。

 根面のむし歯を放っておくと、複数の歯を失ってお口の機械が低下するだけでなく、全身の病気に関連する歯周病を引き起こし、最悪の場合、要介護状態になる危険性もあります。

 根面のむし歯を効果的に予防するには、飲食直後に飲食物や虫歯菌の出す酸で酸性状態になっているお口の中を、できるだけ早く中世に戻しましょう。「食後5分以内にブクブクうがい」をいつもするようにして、「食事の余韻を楽しまない!」。

そして、「歯の間に物が挟まっていると気持ち悪い!早くブクブクうがいをしてスッキリしたい!」という感覚をもつことが重要です。

 また、ふだんの歯みがきにもひと工夫を加えてみましょう。私たちが小さい時から慣れている歯みがき法は、歯冠というエナメル質の部分をみがく歯みがきです。年齢を重ね、歯ぐきが下がって歯の根が露出しても、その習慣はあまり変わらず、「歯冠部分を磨いて終わり」

となっているかたが多いです。

 そこで、普段通り歯冠を磨いてから、歯と歯茎の境目を意識してみがく「二段階歯磨き」をすると非常に効果的です。歯ぐきのマッサージも同時に行えるので、歯周病予防にもなります。

 このとき、高濃度(1450pm)のフッ素配合の歯磨き剤を使うとなおよいでしょう。ただし、力を入れたゴシゴシ磨きはNG。

 歯ぐきへの刺激が強すぎ、かえって歯ぐきが下がる原因となります。

 加齢により全体的に下がってしまった歯ぐきをもとに戻す方法は、残念ながら現在のところありません。

だから、「歯ぐき下がり」に気づきときから歯科医師で定期的にケアしてもらうことがもっとも大切です。

 楽しくお喋りをし、おいしく食べる。お口も体も元気な健康長寿の入り口となるのは、まさに、「健口」、つまり、歯とお口の健康です。人生100年時代のこれからは、“沈黙”の根面のむし歯に気を付けて行きましょう!

 ちなみに日歯8020テレビでは「放っておくとたいへん!歯の根むし歯」という動画がウェブ配信されています(筆者監修)

映像で二段階歯磨きを説明していますので、是非ご視聴ください!

 

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